今回担当の編集委員の石井です。

1.おばあちゃんの飴玉二つ

大斎原の静けさの中にセミの声が森全体を包む。朝露の草を踏みしめながら。またあのご高齢の女性。なにやらお唱えをしながら、杖を突きながらいつものとおり。流された後のご神体(石造の小祠)に向かい深々とご挨拶をし、何やら長いこと祈っておられる。そして話しかけていられのが終わると、階段をひょこっとおり、その対にある忠魂碑にもお参りをされ、そして、敷地の周りの砂利径を独り言を、か、祈りなのか、ゆっくりと巡り始められ、僕の後ろに来られて、「はい、飴、飴」といいながら飴2個を差し出してくれる。有難く大事に持ち帰って自宅においてある。そして少しの間だけ、お話をさせてもらった。

今度の誕生日で100歳になられるとのこと。「眼も、足もここの神様のお蔭というか、40数年毎日、草取りなどお掃除をしてきたがゆへのご褒美か、元気にお参りができる恩恵を戴いているのだ」と。はっきりとした、上品な言葉ではきはきとほぼ東京弁のイントネーションでしゃべられる。お顔もとてもかわいらしく、とみに整ってラシャる。若かりし頃、遠く熊野詣での女御を彷彿とさせたであろうと心ひそかに思いつつ聴く。そして耳だけが少し聞き取りにくい以外はどこも悪くないので毎日ここにお参りに来て、1~2周この敷地の砂利道を廻ってから、そのあと帰るとすぐに新聞2紙に眼を通されるとのこと。「読むのは小さい時からとても好きだし、今はすぐ忘れてしまうけどね」と、屈託なく笑われる。この杖も孫たちが買ってくれて何本もあるので、使っている。ひょんなことがあって、「おばあちゃん」と孫の声が聞こえたり、「不思議なことが結構あるのよ、ここに来ると」と。毎日来られるのが何よりも楽しみで、雨でも来られるとのこと。

小生はほぼこの6年、2月のおとう祭りと8月の夏季セミナーに年2回は熊野に通い、そのたびに八木行の始発バスに乗り、大斎原と熊野本宮大社を訪ねてきている。

ほぼ2回に1回は、かのご高齢ながら妙齢なご婦人にお遭いしている。今回は結構長くおしゃべりさせてもらい、写真を3枚ほど撮らさせていただいた。

信仰心の自然さをいつも感じさせていただいている。またお会いしましょう。

2.同世代のこと

今回も小生を含め、60代以上の方が56人ご参加だったように思う。

今回、同室になったお二方は、和歌山市にお住まいの方であった。

限界集落18世帯の方々が企業の巨大産廃処分場建設の反対運動を4年以上も続けられていると、淡々と静かに運動といかに和歌山市民が危険に晒されるかを語るご夫妻にお会いでき、せめて、署名だけでもと、署名簿を預かってきました。よろしくご協力のほど。

もうおひとりは70代後半になり、中学までは新宮・丹鶴城のふもと、大石誠之助の近くで育ったとのことで、大逆事件のことはよく知っている。中上は読んだことはないが、これからと思い一念発起して初めての参加、と。最高に嬉しい限りの話は、参加案内状を見たら大宴会があると書かれていたので、自分が好きな芋焼酎を持ってきたと、大歓迎のお話しで、早速差し入れをしていただき、すぐに1日目の夜の風呂前の広場での宴会で皆してご馳走になったところである。さすがと、これは見習らわなくては。

「どこ竹和歌山」の竹とんぼ教室を主宰してラシャるということで、来年夏季セミナーで、竹とんぼつくりを教えていただく、お約束をしたところである。

また、一昨年同室であった大阪からの参加の方からは、「若い人が育ってますね。発表は良かったよ」と声を掛けていただきました。またこの4人の方たちとは来年もお会いしましょうと。

若い方たちとの交流はとみに楽しみの一つであるが、同世代や先輩の方たちとの交流も同時代を生きたという感慨があります。くまくま会においても同年輩の方、お二人都合がつかず今回は不参加でしたが、例会には顔を出していただいてます。年配者パワーも捨てたものではないですよ(笑)。

3.感謝

今回の夏季セミナーには熊野大学の関係者及びスタッフの方々には甚大なご配慮いただき、感謝に堪えない。4人の発表者の資料も用意していただいた。発表者各位もそれぞれが現在興味や研究中、これからのことも含め、短い時間ながらなかなかの報告ができたように思う。参加者の方々からの感想や批評などいただければ、今後の研究等の励みになりますのでお寄せいただければ幸いです。

 

最後に、ご案内の通り、次回の例会はかなり面白いと思います。

くまくま会の真骨頂かもしれません。乞うご期待とご参集を切に願います。


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コメント: 1
  • #1

    北田と申します (月曜日, 07 12月 2015 21:52)

     新宮での夏季セミナーでは大変お世話になりました。私は今回が初めての参加でしたが、たくさんの参加者とともに、生前、幾多の苦難に遭遇しながらも壮絶に生き抜いてきた中上氏の魂魄に触れる機会を得られて、私の心が紀州の荘厳な深緑の奥深い山々と、果てしない紺碧の底無しの海のように気高く浄化されていくのを覚え、日常生活では到底味わうことのできない体験をさせていただきました。ありがとうございました。
     さて、何回かお便りを下さり恐縮です。お返事を疎かにしていました。誠に申し訳ございませんでした。適切でないかもしれませんが、この場をお借りしてアドレスをお知らせいたします。
     私が関西在住ということもあり、東京方面には縁がありません。なかなか貴会が主催する催しに参加することが適わないかと思いますが、この点ご理解をいただきますようお願いいたします。
     私は中上健次氏のみならず、世界文学に関心があります。日本だと大江健三郎、村上春樹、池澤夏樹氏などに関心があります。中上健次氏と世界というコンセプトで、例えば「中上とマルケス」といった形で今後中上氏の築いた世界を未来に向け、時空を越えて拡張していくような取り組みを期待しております。
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